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eスポーツ広川町事業令和6年度報告を提出

当社BASラボが運営受託している福岡県広川町eスポーツ地域活性化事業について、
2期目にあたる令和6年度報告書を 広川町に提出しました。

地域活性化や多世代交流にeスポーツのチカラが注目されるなか、
広川町は、高齢者が住み慣れた地域で生涯いきがいを持って生活できる町づくりの実現を目指しています。
普及/交流/研究×eスポーツが包括的に計画された本事業は、全国的にも画期的なモデルです。

交流1‐地域密着型 eスポーツ体験会展開


ご高齢の方々によるeスポーツ×交流。
本年度は、広川町24カ所の公民館、1カ所のデイサービス、広川町役場など町内各所で
eスポーツ体験会の開催を重ねました。
地域サロン、通いの場、老人クラブ、デイサービスをご利用の方々に、
実際に太鼓の達人やswitchsportsのボウリングなどを体験していただきました。

開催数:のべ36
参加者数:のべ731

交流2‐多世代交流イベント開催

令和6年10月20日(土)10:00~13:00 広川町役場 1階多目的スペース
広川町の取り組みを広く知っていただくため、多世代を対象としたイベントを開催しました。
会場来場者 319名参加者数のべ375名(※複数回参加を含む)




(寄せられた感想)

■親子でご参加の方
Q: ゲーム楽しかったですか?
A:すごく楽しかった お母さんと戦って勝つことができたのが嬉しかった。

■高齢者 2 名でご参加の方
Q: 今日のイベント楽しかったですか?
A:最初は不安がありましたが。やってみるとみんなで楽しめました。

■親子でご参加の方
Q:ゲーム楽しかったですか?
A:(子)楽しかったです! (親)集中した真剣な表情と、楽しそうな表情を見れて良かったです。

普及‐「健康ゲーム指導士」地元人材育成


人材は、eスポーツによる地域とのつながりや地域コミュニティの構築を担う存在として
極めて重要です。
地域コミュニティ(高齢者サロンや通いの場など)においては、オンラインやデジタル機材(ゲーム等)の
コンテンツを活用できるスタッフの人材不足が大きな課題となっているため、即戦力となるような
人材育成を目指しました。
本年度は、町内において健康ゲーム指導士の養成講座を開催。
54名の方(うち町内35名)に認定資格を付与しました。
さらにステップアップ講座を開催、現在20名の方がより実践的な人材として登録され、
公民館での体験会や役場での多世代交流会で活躍できるようになりました。
来年度から地元のこうした有資格者による自主運営が可能なよう、準備を進めています。

スキルアップ講座では、作業療法士大川照明先生(福岡天神医療リハビリ専門学校校長)に主導いただきました。
高齢者が対象となるeスポーツにおいては、リスク管理やeスポーツ以外の予備知識が欠かせません。
このあたりも多職種連携の強みがあります。

研究‐eスポーツの効果測定

現在高齢者の認知機能の維持、向上をはかるツールとして、e-スポーツによる効果が期待されており
学術分野での研究もおこなわれています。
例として高齢者(平均年齢73.7 ±5.3(平均±SD)歳 )にパズルゲームを2か月間プレイしてもらうことで
Trail Making Test (TMT)を含む認知課題への反応速度が向上したという研究があります。
(水國照充. “高齢者を対象としたeスポーツによる認知トレーニングの 効果検証と参加意欲に関する研究”. 国際ICT利用研究学会論文誌, 2022, 5(1), pp.3–16.)


本事業では、夏目季代久教授(九州工業大学大学院生命体工学研究科、BASラボ)を中心とする
研究チームが研究担当しています。
後期高齢参加者に2か月間「太鼓の達人」をプレイして貰い、認知機能への影響を調べることで
後期高齢者への効果の調査を行っています。

その結果、ゲームプレイの後、ワーキング機能の増強が示唆されるなどポジティブな反応が見られました。
本研究は継続中であるため詳細は公開できませんが、eスポーツの可能性の大きさが示されつつあります。

本事業「eスポーツによる地域活性化」は、
eスポーツを通じて高齢者をはじめとする住民の健康づくりや交流促進を図り、
地域社会の活性化につなげることを目的として実施されています。
地域内での新たなつながりの創出や人材の育成の取り組み、検証研究等において、
意義深い成果を得ることができています。
引き続きBASラボは、広川町/関係各位と共に、本事業に取り組んでまいります。