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ヨーロッパスポーツ科学学会出席

2023年7月、
パリで開催されたECSS 2023(ヨーロッパスポーツ科学学会)に
BASラボ理事長:磯貝浩久教授と、斉藤嘉子主席研究員が出席/発表しました。

ヨーロッパスポーツ科学学会 ECSS

ECSS(European College of Sport Science)は、 ヨーロッパのみならず、世界中から体育・スポーツ科学の
研究者が集う国際学会です。1995年フランス/ニースで設立され、今回で28年を迎えました。
医学・生理学・バイオメカニクスにとどまらず、スポーツに関連する人文系学問領域(哲学、倫理学、教育学、心理学、社会学など)を含み内容は多岐にわたっています。

2023年 フランス/パリ開催

会期/7月4日~7日 会場/パレ デ コングレ ド パリ

▷学会URL https://sport-science.org/

コロナの規制もなくなり、ECSS発足地のフランスの首都パリでの開催とあって、過去トップクラスの参加者数を記録したようでした。
欧州はもとより世界中から研究者が参加。日本からの研究者だけで過去最多の300名以上が出席。
口頭発表とシンポジウムで800名以上、ポスター発表1,000以上と驚くスケールです。
スポーツ心理学分野も多く発表されていました。

ポスター発表 NeuroTracker研究

“Effect of 3D Multiple Object Tracking Training on Frontal EEG in professional soccer Players”.
Yoshiko Saito¹, Hirohisa Isogai²,  Kiyohisa Natsume¹
1Kyushu Institute of Technology, Japan ; 2Kyushu Sangyo University, Japan

「プロサッカー選手における3D複数オブジェクト追跡トレーニングが前頭部脳波に及ぼす影響」

▷抄録URL
https://www.ecss2006.com/ASP/CONGRESS/TOOLS/Scientific_Programme/Sessions_Abstract_Read.asp?mySessionID=CP-AP27&myAbstractID=557

日本では、ほとんど研究対象とされていないサッカーのトッププレーヤー(Jリーガー)を対象とし
NeuroTrackerを用いた認知機能と脳波を測定した研究です。
約2か月間のNeuroTrackerトレーニングを13名のJリーガーに行った結果、プロサッカー選手の作業記憶能力を向上させることが示唆されました。また、脳波解析の結果、このトレーニングが前頭葉のθリズムの増加を通じて作業記憶能力に影響を与えることが示唆されています。本研究はさらに展開し今後も日本での学会で発表予定です。


全て英語の発表はたいへんでしたが、海外研究者から多くのご質問をいただき、認知トレーニングへの関心の
高さをあらためて実感したセッションでした。

関連リンク NeuroTracker専用サイト

ポスター発表 スポーツ広告の記憶・認知

Effects of Eye Movement and Interest on Memory of Advertisements during Sports Broadcasts
Hirohisa Isogai
Department of Sports and Health Science, Faculty of Human Science, Kyushu Sangyo University, Japan
スポーツ放送中の広告の記憶に対する目の動きと興味の影響

▷抄録URL
https://www.ecss2006.com/ASP/CONGRESS/TOOLS/Scientific_Programme/Sessions_Abstract_Read.asp?mySessionID=CP-SH12&myAbstractID=1506

スポーツ中継における企業広告の効果について、客観的な分析に基づく研究は少ない状況です。本研究の目的は、スポーツ中継中の視聴者の企業広告に対する視線配置と広告の記憶・認知を、アイトラッキングの手法を用いて明らかにすることにあります。大学生20名にプロ野球中継を視聴してもらい、視線時間、視線配置パターン、広告の記憶について分析しました。その結果、より多くの広告を記憶している人ほど、広告に対する注視時間が長く、視線配置パターンも特徴的であることが示されました。また、プロ野球への関心と広告の記憶には関係があることが示されました。

世界のスポーツ知見をフィールドに


国際学会の素晴らしい点は、世界のスポーツ科学への知見を広く得て、海外研究者と議論ができることです。
日本のスポーツ指導者も海外、世界を常に見ており、経験則にとらわれずどんどん最新の指導法を取り入れる
指導者が増えています。
研究者も同様に、スポーツ科学において常に世界を見て議論を重ねています。
BASラボは、世界の最新スポーツ知見を日本のフィールドに還元できる努力を重ねてまいります。

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